就職活動をはじめるとき、「業界・企業研究をちゃんとしてから動いたほうがいいよ」と先輩に言われた経験はないでしょうか?それはきっと、先輩たちが「自分の業界・企業研究は不十分だった……」と後悔しているからです。
週刊ダイヤモンドが2012年に社会人1000人を対象にアンケートを実施したところ、「企業・業界研究が不十分だった」と44.1%の人が回答し、就活に満足していない理由に挙げています。
前回、年収1000万円超の勝ち組先輩がおすすめする真の人気企業ランキングをご紹介しました。では、そんな勝ち組先輩がおすすめする業界、すすめない業界は一体、どこでしょうか?
調査は、年収1000万以上のハイクラス人材の転職サイト「ビズリーチ」を運営する株式会社ビズリーチが、同サイト会員のビジネスパーソン2228人を対象に、就職活動中の大学生に勧めたい企業について実施したもの(調査期間は、2012年11月26日~12月3日)。
学生に人気の業界は
勝ち組先輩がすすめない業界!?
※ビズリーチの調査を元に編集部で作成
入社をすすめる業界1位になったのは、就職活動中の学生にも人気の「商社」。その一方で、入社をすすめない業界でトップ3を占めたのが証券、銀行、生保・損保といった金融業界です。
日経HRが2013年1月に発表した「都内の大学・大学院生の就職活動」に関する調査によると、学生が選ぶ、行きたい業界の3位に銀行が、生保・損保は5位にランクインしており、大きなギャップがあることがわかります。
今年大ヒットドラマとなった『半沢直樹』の影響で、主人公にあこがれて銀行員をめざそうとする人もきっと少なくないでしょう。それに、メガバンクに就職することは、周囲から見ても社会的なステータスの高さから、とりあえず受けてみようと思う人も多いはずです。
また、生保・損保は女性社員も働きやすい会社として人気を集める企業です。多くの企業が女性だけを対象にしたセミナーを開き、結婚・出産といったライフイベントの際でも職場復帰がスムーズな仕組みが整っていることでも、多くの学生の注目を集めています。
それにもかかわらず、同調査では金融機関は「入社をすすめない」にランキングをしてしまっています。それは、仕事内容や社風など様々な理由があると思いますが、それこそ学生時代に学生同士で話す中で抱いた業界や企業のイメージ、有名かどうか、だけで判断するのは、好ましくないということを示しています。
成熟した業界ではなく
成長する業界を知ることが大事
よく女子学生の多くが受験する企業に、食品メーカーが挙げられます。それは、実際に消費者として目にする、手で商品を触れる機会が多く、働くイメージが他の業界に比べて抱きやすいからでしょう。実際、日経HRの行った先ほど挙げた調査でも「行きたい業界」の2位にランクインしています。
しかし、勝ち組先輩が入社をすすめる業界のトップ5に、食品業界は入っていません。その一方でランクインしているのが、ITサービス・ソフトウェア、医薬品、通信といったこれからますます成長しそうな業界ばかりです。
食品業界は、日本ではある程度成熟を迎えた業界で、今はどんどんこれまでにない新しい商品を生み出すことに各社苦慮していたり、海外に活路を見出すなど、大きな変革を迫られています。そうした意味でも、成熟した産業ではなく、これからも成長が望める業界に目を向けることの大切さを、この勝ち組先輩のランキングは教えてくれているのではないでしょうか。
ダイヤモンド・オンライン編集部